DIYという言葉が定着して久しいですが、庭づくりを趣味にしている人も多く見られるようになりました。
しかし庭づくりは自由な反面、難しいイメージです。
「駐車場や庭に石を敷きたいけど、どんなのがあるの?」
「必要な量や価格が知りたい!」
こんな悩みや疑問が次々と出てくると思います。
今回は、一般的にエクステリア砂利として利用されている「砕石」について、できるだけ専門用語を除いて、わかりやすく解説していきます。
1、 砕石の種類別 砕石の特徴と用途
一口に「砕石」と言っても、種類がとても豊富です。
角張ってゴツゴツしているのが特徴ですが、主に下記の7種に分類されています。
- 単粒度砕石
- 粒度調整砕石
- クラッシャーラン
- 再生砕石
- 再生粒度調整砕石
- 砂
- 割栗石
聞き慣れないものもあると思いますが、簡単に解説していきます。
(1) 単粒度砕石
単粒度砕石とは、クラッシャー(粉砕機)などで岩石を粉砕した後、規定範囲でふるいにかけられた砕石のことです。
その範囲はとても細かく、下記の粒度(サイズ)に分けられます。
- S-60(2号砕石)
- S-40(3号砕石)
- S-30(4号砕石)
- S-20(5号砕石)
- S-13(6号砕石)
- S-5(7号砕石)
単粒度砕石は、一粒一粒の石のサイズにバラツキが少ない砕石です。
主にコンクリートやアスファルトの原材料として使われますが、粒度によっては多様な使われ方をします。
S-60(2号砕石)
S-60は大きさが40mm〜60mmと、大きな砕石です。
その大きさから一般で使われることは少なく、主に鉄道用のバラストに使われます。
線路に敷き詰められた石のことですね。
S-40(3号砕石)
S-40は大きさが30mm〜40mmあります。
おもに基礎工事の地盤形成に使われます。
さらに庭のぬかるみ対策や防草目的として、一般で使われることも。
ただ大きめの石なので足が取られやすく、歩きにくいデメリットがあります。
S-30(4号砕石)
S-30は20mm〜30mmの砕石です。
一般的に流通する砕石として中程度の大きさで、汎用性が高いとされています。
ぬかるんだ場所や道路の下地として、利用可能です。
S-20(5号砕石)
S-20の大きさは13mm〜20mmほどで、小さめの砕石です。
道路の凹みや傷の補修作業に、よく使われています。
また一般家庭で、住宅の周囲に敷いてもいいですね。
S-13(6号砕石)
S-13の大きさは、5mm〜13mmとかなり小さな砕石です。
一般的に砂利と呼ばれ、道路修理の際に仕上げとして使用されたり、庭地の造成にも使用されたりしています。
水はけがよく、雑草が生えにくいので庭の美観を整えられるでしょう。
S-5(7号砕石)
S-5は2.5mm〜5mmと、さらにかなり小さい砕石です。
非常に細かく、アスファルトコンクリート用の砕石として道路舗装に使われます。
あまりに細かいため、一般で使われることは多くありません。
(2) 粒度調整砕石
粒度調整砕石は、クラッシャーで岩石を粉砕した後、ふるいにかけて一定の粒度にそろえた砕石のことです。
粒の大きさがそろっており、締め固めると強固で、道路の上層を作るために使われています。
- M-30
- M-40
ここでは、2つの粒度調整砕石を紹介します。
M-30
M-30は、大きさが0mm〜30mmの粒度調整砕石です。
使用用途は幅広く、おもに下記のように使われます。
- ブロックやレンガを敷く際の基礎作り
- 飛石・敷石・縁石などの下地作り
- 建物周辺・砂利道・駐車場などのデコボコ補修
用途が幅広いので、いろんなところで見かけることが多いですね。
M-40
M-40は、大きさが0mm〜40mmの砕石で、M-30より1cmほど大きいサイズです。
使用用途は、M-30と大きく変わりません。
(3) クラッシャーラン
クラッシャーランは、岩石や玉石をクラッシャーで粉砕しただけで、粒度をふるい分けしていない砕石です。
比較的安価で、舗装工事の路盤材や駐車場に敷かれることが多く見られます。
- C-40
- C-30
今回は2つ紹介します。
C-40
C-40の大きさは0mm〜40mmと、バラツキがあります。
アスファルト舗装をする際に、下層の路盤に使用されることが多いようです。
圧力をかけて押し固める転圧をした際に、バラツキがかみ合って隙間なく締まります。
この特性から駐車場に敷き詰められることが多いです。
C-30
C-30の大きさは0m〜30mm。
C-40と比較して、バラツキがあるのは同じですが、少し小ぶりです。
使用用途もほぼ同じで、アスファルトの材料になるほか、駐車場にも利用されています。
(4) 再生砕石
再生砕石は、クラッシャーランにコンクリートの廃材などを混ぜた砕石です。
リサイクルが推進されるようになり、一般的な公共工事によく使われています。
- RC-40
- RC-30
「R」はリサイクルの意味で、クラッシャーランの型番にRがついているイメージです。
RC-40
RC-40はC-40に廃材が混ぜられた砕石で、大きさは0mm〜40mmです。
駐車場に敷かれることもありますが、廃材が混ざっているため見栄えはあまりよくないようです。
再生砕石は、締め固まるためレンガ敷きの基礎としてよく使われています。
RC-30
RC-30はC-30に廃材が混ぜられた砕石で、大きさは0mm〜30mmです。
埋め戻し材として使用されることが多く、歩道舗装の下や水道管工事に利用されています。
締め固まる特性から、基礎の地盤を強固にすることが可能。
(5) 再生粒度調整砕石
再生砕石を、粒度に合わせて選別・調整した砕石を再生粒度調整砕石と言います。
- RM-30
- RM-40
どんなものか簡単にご説明します。
RM-30
RM-30は、大きさが0mm〜30mmの再生粒度調整砕石です。
再生粒度調整砕石は、建築物などの荷重を支える支持力が強いため、おもに道路の路盤材に使用されます。
RM-30は、中でも歩道によく使われるようです。
RM-40
RM-40は、大きさが0mm〜40mmの再生粒度調整砕石です。
RM-30と同じく、道路の路盤材によく使われます。
RM-30と違うのは、歩道ではなく車道によく使われます。
(6)砂
砂は、誰もが見たことも触ったこともありますね。
ここでは下記の3つの砂を紹介します。
- 細目砂
- 荒目砂
- 山砂
細目砂
大きさが2mm以下の、サラサラとした砂を指します。
たくさんの用途で使用されているので、ほとんどの人は触ったことがあるはず。
ゴルフ場のフェアウェイ砂に使用され、ゴルフ場によってはバンカーでも使用されているようです。
砂場や野球のグラウンドに使用されている砂も、細目砂が多く見られます。
荒目砂
大きさが5mm以下の砂で、細目砂よりザラザラした感触の砂です。
芝生の目砂に使用されることが多く、公園などでもよく見られます。
コンクリートの細骨材や、左官砂としても用いられるようです。
山砂
黄土色の砂で、大きさは用途に応じて変わります。
多く使われるのは、大きさが5mm以下のもの。
工事現場向けの砂で、いろんな工事の埋め戻し材や盛り土材として使用されます。
石などの塊がないことから、地中に埋めた配管の周りに保護材として使うことも。
他にも砂場用の砂や芝生の目土、庭の敷材としても使われます。
(6) 割栗石
この記事で紹介する石の中でも、もっとも大きいのが割栗石です。
岩石を割って作る石材で、大きさは100mm〜250mmほど。
主に建築物の基礎工事に使われてきました。
割栗石を敷き詰めた上からコンクリートを打つことで、コンクリートと地盤をつないで地盤を安定化させます。
強固な地盤作りに欠かせない石です。
最近では自宅の庭づくり用として一般でもロックガーデンに利用されています。
割栗石を敷き詰めて、隙間を砂利や土で埋めます。
大小の石を組み合わせて並べたり、石と石の隙間にお好みの花やグリーンを寄せ植えします。
2、庭や駐車場に砕石を敷きたい!
必要なサイズや量と相場価格
一般的に砕石を使用するシーンといえば、自宅の駐車場や庭づくりでしょう。
シーン別に、サイズ・量・相場価格を解説します。
駐車場に敷く場合
駐車場に敷く場合は、クラッシャーランのC-40が一般的です。
クラッシャーランは、砕石がしっかりかみ合うので転圧すれば安定し、車の発進がしやすくなります。
駐車スペースに必要な砂利の量
2台分の駐車スペースとして、25平米(約13畳分)が必要としましょう。
厚さを10cmとすると、25平米×0.1m=2.5立米が必要となります。
費用が押さえられるのが、クラッシャーランの特徴。
種類にもよりますが、相場として1立米が3,000円程度です。
駐車場2台分だと50kgほどで、2.5立米×3,000=7,500円ほどになります。
庭に敷く場合
庭に敷く場合は、砂利と呼ばれているサイズを敷きましょう。
駐車場のように大きい砕石だと、見た目もあまりよくありませんし、歩きにくくて転倒する危険性があります。
どんな庭に敷くのかにもよりますが、砂利のサイズは0.3〜15cm程度のもので問題ないでしょう。
庭スペースに必要な砂利の量
必要な量を考える場合、人が歩くのであれば厚みは3cm〜5cmほど必要です。
一般的に1平米に1cmの厚みで、約20kgが必要と言われています。
庭の面積が30平米(約16畳分)とすると、必要な量は0.9〜1.5立米。
量にすると約1,800〜3,000kgが必要です。
庭に敷く砂利は種類が豊富で、価格も幅広いです。
相場は20kgで3,000〜5,000円が多く、少し高価なのが悩ましいところですね。
防犯砂利として使用する場合
防犯砂利は、人が通ると大きな音を立てるので空き巣などが嫌がります。
製品として防犯砂利が販売されているので、そちらがおすすめ。
防犯砂利も種類が多く迷ってしまいますが、サイズは0.1〜4cm程度がいいでしょう。
庭に敷く砂利と同様に、厚みは3cm〜5cmがいいとされています。
1平米(約0.5畳分)あたり60〜80kgが一般的ですが、必要な面積は住宅によります。
できるだけ人目に付きにくい場所(=空き巣が狙いやすい場所)に敷くのがおすすめです。
価格は商品によって大きく違い、1平米(約0.5畳分)で2,500〜10,000円が相場のようです。
3、さまざまなサイズや用途がある「砕石」
ただ単に「石」と言っても、日常生活でなじみの薄い石まであり、本当に多種多様でした。
しかし駐車場や庭造りに使用する石の種類はある程度決まっているので、実際に取り扱ってみると難しくありません。
必要なサイズや量を確認して、ぜひDIYしてみてください。
自分なりの使いやすい駐車場や、美しい庭づくりにチャレンジしてみましょう!