「土のままの外構をDIYでキレイにしたい」
「駐車場やアプローチに砂利を敷きたいけどどの位の厚みが必要なの?」
家の周りを手軽に整えるには、砂利敷きがおすすめ。
費用や工期がかからず、コツさえつかめればDIYでも美しく整えられます。
今回は「施工場所ごとに適した砂利の厚みや砂利敷きする時の注意点」、「砂利が減った際の対処法」について解説していきます。
自分で庭や駐車場に砂利を敷きたいとお考えの方はぜひ参考にして下さい。
1、砂利を敷く場所によって砂利の敷く厚さが違う
砂利には敷く場所や用途に応じた適切な厚さがあります。
例えば人が歩く場所と、車を出し入れする場所では地面にかかる負荷が異なるため、砂利の厚みを変える必要があります。
ここでは【人が歩く場所】・【乗用車の駐車場】・【大型車の駐車場】の3用途ごとの適切な厚みを見ていきましょう。
【乗用車の駐車場】必要な砂利の厚さは?
乗用車が出入りする駐車場には、基本的に7~10㎝ほどの厚さの砂利が必要です。
乗用車の駐車場に砂利を敷く手順はこちら。
手順①:駐車場にする場所の土を10㎝ほどすき取る
砂利を敷いた場所だけ地面が盛り上がらないよう、あらかじめ砂利を敷く予定の厚み分の土をユンボなどの重機を使ってすき取ります。
すき取った土は適切に処分しなければならないため、DIYで砂利を敷く場合でも地面のすき取りと残土の処分は業者に依頼する方が良いでしょう。
手順②:地面のデコボコを均して転圧する
すき取った部分はデコボコを平らにして、ローラーなどで圧力をかけます。
この作業を怠ると砂利を敷いた際にキレイに仕上がらないばかりか、砂利が地面に沈み込んでしまいます。
手順③:防草シートを敷く
砂利を敷く予定の場所には、予算が許す限りなるべく防草シートを下に敷くようにしましょう。
防草シートは砂利の間から雑草が生えるのを防ぐだけでなく、地盤を強化する効果もあります。
手順④:適切な厚みの砂利を敷く
駐車場では車のタイヤの動きにより、砂利は絶えず移動します。
砂利の厚みが足りない状態では、下の防草シートを巻き上げてしまう可能性もあります。
必ず7~10㎝の厚みの砂利を敷くようにしましょう。
手順⑤:砕石を敷く場合は細かい砂を表面にまく
駐車場にする場所では仕上げの転圧は必ずしも必要ありません。
それは頻繁に重い車を出し入れすることで、転圧と同じように地面が踏み固められるためです。
もし駐車場に砕石を使用した場合は、細かく砕いた「ダスト」と呼ばれる砂状の砕石を仕上げに敷くと表面がより平らになります。
【大型車の駐車場】必要な砂利の厚さは?
トラックや重機のような大型車を停める駐車場には、基本的に砂利敷きは向きません。
というのも車体の重みで地面に砂利がめり込んでしまったり、砂利がタイヤで吹き飛ばされてしまうためです。
どうしても砂利を敷きたいなら、専用の「砂利地盤安定材」を使うことをおすすめします。
砂利地盤安定材とはポリプロピレン製のハニカム構造をしたシートで、ハニカムの隙間部分に砂利を敷きこんで使います。
この構造により大型車のタイヤによるわだちやくぼみを防いでくれます。
大型車の重みにも耐えられる強度を得られるだけでなく、雨による砂利の流出も防いでくれるでしょう。
高さは15~22㎝ほどと数種類あり、地盤の強さや下地の土の状態に応じて選んでください。
【人や自転車が通るだけの場所】必要な砂利の厚さは?
人が歩くアプローチや庭に砂利を敷くなら、3~5㎝の厚みが必要です。
この厚みは砂利の大きさによっても異なります。
粒が小さな砂利なら、厚みが2~3㎝程度でも隙間から下地や防草シートが見えることはありません。
粒の大きな直径3㎝程度の砂利では、隙間から下地が見えないようにするには4~5㎝ほどの厚さが必要となります。
とはいえ厚ければ良いという訳ではありません。
10㎝ほどの厚みにしてしまうと、歩く際に足を取られてかえって歩きずらくなってしまうことも。
そして人が歩く部分にも、砂利に下には防草シートを敷くようにしましょう。
防草シートを下に敷かない状態では、土に砂利が沈み込んで同化していくスピードが速くなります。
防草シートを敷いた場合でも砂利は適切な厚みが必要です。
砂利の厚みが足りないと、防草シートが露わになって雨の日などの濡れた状態では滑りやすくなります。
2、地盤によっても砂利の敷く厚さが違う
砂利を敷く前の元々の地盤の状態によっても、砂利を敷く厚さは変わってきます。
地盤とは建物を据えるための土台となる土地のことで、地表からある深さまでの地層を指します。
住宅が経つ前はどのような目的で使われていたのか?ということから地盤の強度を推測することができます。
【地盤がいい場所】特徴と必要な砂利の厚さ
岩盤や砂礫をたくさん含んでいる土地は、硬く締まっていて地震にも強いため地盤が良いとされています。
このような土地では重い車が走行してもタイヤが埋まることがありません。
表面に砂利を敷く場合は、これまでご紹介した用途別の厚みがあればOKです。
ただし、雨が降って地面が水を吸い込んだ時にドロドロの粘土状になる地盤では注意が必要です。
粘土質の土地では地下への透水性が悪いため、砂利を敷く量を通常より厚めにした方が良いでしょう。
【地盤が悪い場所】特徴と必要な砂利の厚さ
元々田んぼや畑だった土地に住宅を建築した場合、地盤が弱いことがあります。
フカフカの柔らかい土は作物を育てるには適していますが、住宅にするにはあまり適していません。
歩いた時に靴底が土に埋まってしまう、車のタイヤでわだちが出来やすいという場所では、表面の土をある程度取り除き、砕石などが混じった良い土へ改良しましょう。
その土には硬化速度の速いセメントを配合した「地盤改良剤」などを混ぜ込むと、さらに地盤が強化されます。
良い土へ入れ替えたらしっかりと圧力をかけて強度を高めてください。
また田んぼや畑だった土地は雑草が生い茂りやすい場所でもあります。
表面の土を改良することで、雑草が生えにくくなるというメリットも同時に得られます。
3、砂利敷きの厚さ不足は、どうしてダメなの?
それではなぜ適切な砂利敷きの厚さを守らないといけないのでしょうか?
先ほどもご説明した通り、砂利を敷く際には使用場所や用途に応じた厚みにしなければなりません。
砂利の量をケチって必要な分より少なく敷いた場合、人が歩く場所では下の防草シートがめくれ上がって、シートの下に砂利が入り込んでしまうことがあります。
一度シートの下に砂利が入ってしまうと、砂利を全て撤去して防草シートを敷き直さなければなりません。
また駐車場で砂利に十分な厚みがないと、砂利が押されて防草シートを破ってしまうことも。
防草シートは長時間日光にさらされると、紫外線で劣化しやすくなります。
このように、防草シートの効果を十分に発揮させるためにも、適切な厚さで砂利を敷く必要があるのです。
4、砂利敷きするときの注意点
砂利敷きをする時にはいくつかの注意点があります。
これまでのおさらいの意味でも、これからご紹介するポイントに注意して砂利敷きをしてください。
注意点①:地盤の強度や排水性などに応じた厚さで敷く
砂利敷きをする場合は、使用用途だけでなく地盤の強度や排水性、砂利の大きさによっても厚みを変える必要があります。
地盤が弱い場所や排水性が悪い土地では、通常より厚く砂利を敷くようにしましょう。
同様に砂利のサイズが大きければ大きいほど、下地を保護するためには厚めに敷くことをおすすめします。
注意点②:仕上がりの高さを計算して土をすき取る
すでに地面が仕上がりの高さになっている場合、砂利を敷く前には余分な土をすき取らなければなりません。
そのため、あらかじめ砂利の厚さを決めることはとても重要。
防草シートを使う場合は、防草シート分の厚みも考えて土をすき取るようにしましょう。
注意点③:砂利の種類によっては費用が高額になることも
一口に砂利と言っても、色や形は様々な種類があります。
砂利というのは長い年月をかけて川や海の水底から採取される天然の産物です。
特に見た目にも美しい化粧砂利を使用した場合、土間コンクリートにするよりも高額になる場合があることを覚えておきましょう。
庭や駐車場を砂利敷きにしようと思ったら、数トンもの砂利を使うことになります。
そのため、砂利の種類を把握して、予算に応じた価格の砂利を選ぶことをおすすめします。
5、砂利が減ってきたら
砂利を敷いた当初は美しく仕上がっていても、時間が経つにつれ風雨やタイヤによる移動で砂利が減っていくことは避けられません。
実際に「庭を仕上げた際に敷いた砂利が少なくなったので足したいが、砂利の種類が分からない」という声が多く寄せられます。
砂利を後から買い足すためには、初めに施工した砂利の種類や購入店舗などをあらかじめ記録しておくことをおすすめします。
同じ理由から、あえて砂利が入っていた袋のまま少量を残すのも有効です。
商品名が分かるのはもちろんですが、元々の色目やサイズについても現物を見ながら探せます。
後書き
DIYで砂利を使いたいなら、歩く場所か駐車場かといった用途別に適切な厚みで敷くことをおすすめします。
地盤の強さや土地の排水性を考えて砂利の厚みを変えることも必要となります。
また砂利を敷く前には防草シートは必ず敷くようにしましょう。
他にも事前に土をすき取ったり、予算や敷く場所を考えて砂利を選んだりすることも大切です。
砂利敷きに関する知識をしっかり覚えて、あなたのDIYを成功させましょう!