ゴツゴツした岩の間に植物を植えて、自然に近い形の庭を楽しめるロックガーデン。
実は和風やドライガーデンといった様々なテイストで作ることができます。
今回は基本のロックガーデンのDIY法はもちろん、おしゃれなデザインでの作り方をご紹介します。
どんなロックガーデンにしようかお考え中なら、自分好みのデザインを見つけてみましょう!
ロックガーデンのデザインの作り方
基本のロックガーデンはランダムに配置した岩石の間に、植木鉢を使用せず植物を植えこんで作っていきます。
使用する植物やガーデンアイテムの選び方で様々なデザインを作ることができます。
(1)和風の庭、坪庭、苔庭
和風の住宅には、和風のロックガーデンが良く似合います。
自然石を石垣風に組み上げたり、玉砂利を大きな石の隙間に敷き詰めたりして、ロックガーデンの中に和風のテイストを取り入れてみましょう。
植栽はグランドカバーとしてコケを敷くほか、低木や高さのある木などで高低差を付ければ、庭に奥行きを出せます。
玄関前のちょっとしたスペースや坪庭にもおすすめです。
(2)和モダン
最近少なくなってきた純和風の庭の代わりに、現代風にアレンジした和モダンのガーデンの人気が高まっています。
毎年剪定が必要な庭木の数を少なくし、シックな色目のライトやフェンスと組み合わせるだけでグッと和モダンに近づけます。
自然の植物×人工物という相反するイメージを組み合わせて、それぞれの魅力を引き立たせられるのが和モダンの魅力。
花の色目を極力抑えて、ホワイトやブラックといったシンプルなガーデンアイテムを使うと全体的なまとまりが良くなります。
(3)洋風
ロックガーデンの起源はヨーロッパの高山植物園やアメリカのドライガーデンだと言われています。
そのため洋風のロックガーデンはテイストが細かく分かれており、それぞれ違ったイメージを演出することができます。
・南国リゾート風
サンゴ調の大きな石をそこかしこに配置して、シンボルツリーにはブラシの木やドラセナを植えれば、南国リゾート風のロックガーデンに早変わり。
ヤシやニューサイランといった南国の植栽をプラスすると、さらにリゾート感がアップします。
足元には日時計や動物をモチーフにしたオーナメントをアクセントにして個性を出しましょう。
・ドライガーデン
ドライガーデンとは砂利や砂などで乾いたイメージを出し、そこに乾燥地帯の植物をレイアウトしたスタイルのこと。
使う植物はサボテンや根塊植物といったたくさんの水を必要としない、南半球原産の多肉植物がおすすめです。
毎日の水やりが必要ないので、庭にあまり手をかけられない忙しい方でも安心です。
ドライガーデンのポイントは植える場所と土づくり。
多肉植物や根塊植物は太陽の光が好きなので、なるべく日当たりのよい場所に作りましょう。
土づくりは軽石や赤玉土、鹿沼土やバーミキュライトなどを混ぜた、水はけを重視した土にし、地面から少し高い場所に植えるとさらに水はけがよくなります。
・ハーブガーデン
たくさんの種類のハーブを植えたロックガーデンは、料理に使える家庭菜園にもなります。
ハーブを植える際には、大きめの石を積みかさねて、らせん状にハーブを植える「スパイラルロックガーデン」がおすすめです。
一番高い場所には乾燥や太陽が好きなハーブを、地面に近い低い場所には日陰でも育つハーブが植えられます。
一か所で生育環境が異なるハーブを何種類も育てられるので、家庭菜園としても使い勝手がよくなるはず。
・シェードガーデン
あえて日陰や半日陰に作る庭のことを「シェードガーデン」といいます。
一口に日陰と言っても半日程度日が当たる日陰もありますし、一日中ほとんど日が当たらない日陰もあります。
それぞれの環境に合った植物や花を植えることで、シェードガーデンが完成します。
欧米では大きな木の木陰にシェードガーデンを作ることがあります。
「うちの庭は日が当たらないから…」と庭づくりを諦めず、日陰でも生き生きとしたシェードガーデンを作ってみてはいかがでしょうか。
(4)ナイトガーデンも意識して…ライトアップ
スポットライトなどでライトアップすれば、夜でも素敵なナイトガーデンになります。
ライトをアクセントの植物に当てて外壁にその影を映せば、夜でもインパクトのあるリゾート空間に。
庭にベンチやガーデンチェアを置いて、庭を見ながら寛ぐこともできます。
スポットライトはLEDを使用したものにすると省エネです。
またタイマー設定ができるライトだと、好きな時間だけ庭のライトアップが楽しめるでしょう。
庭でロックガーデンを作ってみよう
ここではロックガーデンの基本的な作り方をご紹介していきます。
(1) 場所
ロックガーデンは場所にとらわれずに作ることができるメリットがあります。
大きなお庭でも小さな坪庭程度でも大丈夫、半日陰や日陰の庭でもそれぞれの場所に適した植物を選べば問題ありません。
ロックガーデンをより本格的にするには、ある程度の傾斜を付けられると良いでしょう。
一画に土を盛って高さを出し、ゆるい傾斜を作ってそこに石をランダムに置いていくと本物の山野風になります。
(2)植物を選ぶ
ロックガーデンに植える植物は、水はけや日当たりといった環境に合う種類を選んでください。
たくさんの種類をランダムに植えても、それなりに見えるのがロックガーデンの魅力。
背の高い植物から地面を這うように生長する植物まで、様々な高さの植物を取り入れれば、空間に奥行きが生まれます。
(3)石を用意
ロックガーデンに使用する石は丸くて滑らかなものよりは、ゴツゴツとした形が不揃いの石を選ぶと良いでしょう。
軽石・石英岩・溶岩石などがよく使われますが、特に表面にたくさんの穴がある溶岩石は通気性や排水性に優れているのでおすすめです。
大きさは庭の広さに応じて、大きな石や小さな小石などあえて「ランダム」を意識して選ぶとよりワイルド感が増します。
(4)石の組み方のコツ
大きめの石を配置する際は、地面に埋め込むように組んでいきます。
大きな石では深さ30㎝程度、石の2/3ほど土に隠れるように掘り下げます。
掘った穴の中央をさらにくぼませてレンガでふさぎ、その上に石を配置すると水はけがよくなります。
なんとなく二等辺三角形を意識するように積むのがポイント。
あまりにも整然とキレイに石を積んでしまうと人工的な庭に見え、自然の雰囲気を楽しむことが出来なくなります。
・1種類の石をさまざまなサイズで
同じ種類の石を大中小とサイズを変えて置くのもポイントです。
サイズを変えるだけで自然により近くなりますが、大きな石の近くに小さな石、少し離れた場所に中くらいの石など方向や距離を変えて置くと良いでしょう。
・いくつかの種類の石との組み合わせ
もちろんいくつかの色や種類の石を組み合わせてもOK。
ロックガーデンは岩石が主役となった自然の荒々しさを表現した庭のことです。
様々な種類や色の石を使うことで、ロックガーデンをより本格的にできます。
(5)ポケットを作る
ポケットというのは複数の石を組み合わせて作る、植物を植える土を入れるスペースのこと。
隙間が大きすぎると土が流れ出てしまうので、底に小石などを敷き詰めて隙間を埋めてあげましょう。
ポケットの大きさは植物のサイズに合わせ、ある程度の深さを確保するようにしましょう。
(6)培養土を入れる
ポケットが出来たら、中に土を入れていきます。
使用する土は培養土を中心に、植える植物の性質によって土を選んでください。
・どんな土がいいの?
粘土質の土は避け、なるべく水はけがよくなるように配合してください。
使う土はこれらがおすすめです。
- 川砂
- 赤玉土
- 腐葉土
- 軽石
- 桐生砂
それぞれの土はふるいにかけて小さい粒を取り除き、腐葉土はなるべく細かくして使ってください。
一般的な培養土のみを使う場合はポケットはやや深めにし、水はけを良くするために必ず鉢底石や大き目の軽石を入れるようにしましょう。
(7)植物を埋め込む
水はけや植物の高さを考えて植え込んでいきます。
多肉植物やハーブ類は乾燥を好みますのでなるべく高い場所に、シダ類は湿気が好きなので地面近くの日陰に植えてください。
背の高い植物を奥側に、手前に背の低い植物を配置するとバランスが良くなります。
アクセント的にチューリップなどのカラフルな花を配置すると、明るく華やかな印象の庭になります。
ロックガーデンの注意点
ロックガーデンは石をメインにした庭になりますので、石の選び方や配置の仕方が最も重要になります。
ロックガーデンに緩い傾斜を付けるとより本格的に見えるとご説明しましたが、傾斜の角度は30度以下にしましょう。
大きな石を高い場所に置くと地震などで転がり落ちる危険がありますので、なるべく下に配置して土に埋めて固定してください。
この時グラグラしないように小石や砂を隙間に詰め込むと安定します。
また石の間から雑草が生えてくる場合がありますが、ロックガーデンを作る前に防草シートを敷き詰めておくと、雑草が生えにくくなります。
さらに地上部の丈が大きな植物だと、植え込んでも根元が不安定になりがちです。
なるべく草丈は1m以下のものを選んで植えると、それほど深く土を掘らなくても大丈夫でしょう。
ロックガーデンの施工実例の紹介
それではロックガーデンの施工実例をご紹介してきます。
ロックガーデン施工実例①:和風なロックガーデン
和風とロックガーデンというのは融合しにくいと思われがちですが、こちらの和風ロックガーデンは松やシダを上手く取り入れながら見事に仕上げています。
使用しているのが、日本庭園にあるような形や趣の庭石であることが成功の要因でしょうか。
所々に生えたコケやシダがワイルドさを演出し、和風でも立派なロックガーデンが作れるという良い見本となっています。
ロックガーデン施工実例②:ドライガーデン
存在感のあるアガベが茶色い岩肌によく映えています。
花の色を赤一色に抑えることでカラフルになりすぎず、力強いロックガーデンに仕上がっています。
アガベは元々中央アメリカなどの暑い地域に自生している多肉植物の一種。
高温や乾燥に強く日当たりの良い場所が好きですが、寒さにも強いため日本でも育てやすい植物となっています。
まとめ
今回はロックガーデンの基本の作り方、色々なデザインのロックガーデンをご紹介してきました。
お家やエクステリアのテイストに合わせて、ロックガーデンもアレンジしてみてはいかがでしょうか。
ガーデンアイテムやスポットライトなどを組み合わせると、一層個性的なロックガーデンに仕上がりますよ!
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